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Jaye P. Morgan / Jaye P. Morgan【USED Vinyle】
¥3,300($21.04)
在りし日のGood Old Music。 まるで往年の大ヒット映画を観ているようだ。 輪郭にはブラーがかかり、目を細めているのか、輝いて見える。 もしかしたら涙が流れているのか。そんなバカな。 My Heart Belongs To Daddy。計算高い、悪い駆け引きだな。 1955年、ニューヨーク。Hugo Winterhalterの楽団。 ハスキーで低い声。それでいて、曲を張り倒すように歌いきる。 Cole Porterのこの曲を、原曲より遅いテンポで引き延ばす。 媚びない。しかし艶だけは隠さない。 三歳から一座に立ち、家族で全米を回っていた女の唱法だ。 三十年代の流行歌ばかり並べて、それを自分の色に染めている。 PAIRING COFFEE このアルバムに似合うコーヒーは、WOTE KONGAだ。角のない口当たりと、後から来るやわらかな甘さ。艶のある声に、寄り添いすぎない一杯を。
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Muggsy Spanier / The Essence Of Jazz Classics, Vol. 6【USED Vinyle】
¥1,300($8.29)
本当のジャズが何か知りたいか。 言うことはない。古い音楽から聴くんだ。 1939年。7月から12月にかけて、四回のセッション。 Muggsy Spanierとラグタイム・バンド。全16曲。 ニューオリンズ生まれではない白人が、完全なニューオリンズ・スタイルを持っていた。 Louis Armstrongの1922年から26年までを、そっくり自分のものにした男だ。 だが高音は使わない。中音域だけで押し通す。 Relaxin' At The Touro。大病で入院した病院の名を冠したブルース。 死にかけた男が、退院してすぐ作ったバンドで吹いている。 コルネットにギャングがチップの札を突っ込んだ、というシカゴの話も残る。 そういう時代の音だ。 PAIRING COFFEE このアルバムに似合うコーヒーは、GAYO OLDだ。乾いた質感と、古い木のような香り。1939年の空気に、新しさは要らない。
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Joe Burton / Here I Am In Love Again【USED Vinyle】
¥2,200($14.02)
非常に本質的なジャズピアノだ。 旅をする。途中に泊まったホテルのラウンジで、本質的なピアニストがいたら。 妄想かもしれない。映画のようだ。このジャケットも、トリオの演奏も。なにもかも。 1957年4月21日、ニューヨーク。 Joe Burtonのピアノ、Jud DeNautのベース、Nick Fatoolのドラム。 Do Nothin' Till You Hear From Me。ためらうような一音から始まる。 和音が足され、ベースが寄り添い、また主題へ戻る。 急がない。押し出さない。ただ流れている。 Burtonは天才ではない。これも大名盤ではない。 だが軽妙なフレーズが、深夜のラウンジにそのまま置かれている。 PAIRING COFFEE このアルバムに似合うコーヒーは、mementoだ。澄んだ甘さと、静かに伸びる余韻。三人の間合いを崩さない一杯が、この時間には合う。
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Art Pepper / Art Pepper Meets The Rhythm Section【USED Vinyle】
¥2,600($16.57)
いなせだ。クールであり、最上級のジャズ。 クールなんだ、それでいて速い。 1957年1月19日、土曜の午後。ロサンゼルス。 Art Pepperはその日、録音があることを当日まで知らされていなかった。 妻が勝手に段取りをつけた。 数ヶ月ぶりに出したアルトのリードは、乾いて割れていた。 相手はMiles Davisのリズム隊。一年半、毎晩同じ呼吸で演っている三人だ。 西海岸の男が一人、東海岸の完成品に放り込まれた。 You'd Be So Nice To Come Home To。最初のコーラスで、もう決着がついている。 Straight Life。この曲名を、彼は二十二年後に自伝の題として使う。 五時間で一枚録り終えた。逃げ場のない午後の記録だ。 PAIRING COFFEE このアルバムに似合うコーヒーは、YIRGACHEFFE ARICHAだ。深煎りの苦みの奥に、削ぎ落とされた輪郭がある。甘さに逃げない一杯が、この緊張には合う。
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Nat Adderley / Work Song【USED Vinyle】
¥2,750($17.53)
ファンキーという言葉がある。もう今やわからないだろう。 こいつがそれだ。ファンキージャズ。 1960年1月、ニューヨーク。 コルネット、ギター、チェロ。前線に並ぶ三つの旋律楽器。 こんな編成は他にない。 Work Song。ミュートをつけたコルネットに、Sam Jonesのチェロが応える。 呼びかけと応答。Louis Hayesのドラムが、その隙間を叩いて煽る。 Wes Montgomeryのギターが、Charlie Christian以来と言われた頃の音で入ってくる。 兄Cannonballの影に隠れがちな男が、ここでは自分の曲で真ん中に立っている。 労働の歌だ。囚人が鎖を引きずりながら歌う類の。 それを洒落たクラブで鳴らして、客を踊らせた。 PAIRING COFFEE このアルバムに似合うコーヒーは、MANDHELING G1だ。深煎りの重い苦みと、隠しようのない厚み。土くさく、腹に残る一杯が、この躍動には合う。
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The Rolling Stones / The Rolling Stones, Now!【USED Vinyle】日本盤・London LAX 1004・疑似ステレオ)
¥2,200($14.02)
初期のStonesが、いちばんStonesだ。 このアルバムは彼らが本当にブルースを愛していた証拠。 Brian Jonesの、偏執狂的なリーダーの憮然とした演奏。 本当にStonesが好きなやつが好きなStones。 Little Red Rooster。Willie Dixonの曲を、二十歳そこそこの英国人が演る。 Brian Jonesのスライドが、遅れて滑り込んでくる。 うまくはない。焦っている音だ。 Mona、Down The Road Apiece、You Can't Catch Me。 借り物ばかりを並べて、それでも自分たちの音になっている。 Heart Of Stoneだけが、彼ら自身の曲として異物のように混ざる。 しかしこのレコードは擬似ステレオ、いわばイミテーション。 イミテーションすら、いいと思えるなら、買いかもしれない。 PAIRING COFFEE 一杯は、MANDHELING G1で。深煎りの重い苦みが、Chessの部屋の空気に近い。甘さを探すより、飲み下したあとの苦さが長く残るほうがいい。
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Randy Newman / Live 【USED Vinyle】
¥2,800($17.85)
これが本物の歌うたいだ。 ピアノが一台と、男が一人。それだけで足りている。 1970年9月、ニューヨークのThe Bitter End East。 客席のざわめきが、曲と曲のあいだにそのまま入っている。 Davy The Fat Boy。太った少年を見世物にして金を取る男の歌だ。 Newmanはその男の側から歌う。批判はしない。ただ演じきる。 笑い声が起きる。だが何を笑ったのか、途中でわからなくなる。 Yellow Man、Old Kentucky Home、Cowboy。 どの曲にも、まともでない誰かが立っている。 弾き語りだから、逃げ場がない。 編曲でごまかせない場所に、この人の毒はいちばんよく残る。 PAIRING COFFEE 一杯は、GAYO OLDで。乾いた質感と、古い木のような香り。愛想のない一杯が、この毒気には似合う。飲み終えても、後味が素直に引いていかない。
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Miles Davis / Bitches Brew LP 2枚組 US盤【USED Vinyl】
¥4,400($28.05)
黒い渦だ。ジャケットを開けば、そこにはもう秩序というものがない。マティ・クラーワインの絵が、燃える花と割れた横顔を並べて、何かの儀式を予告している。1969年、8月。ニューヨークのスタジオで、マイルスは楽器を減らすかわりに、楽器の数を増やした。エレクトリックピアノが三台。ベースが二本。ドラムが二人。もう誰にも制御できない密林を、あえて作った。 テオ・マセロの編集鋏が、その密林に道をつけた。切って、貼って、また切って。ジャズという言葉がもう追いつかない音楽が、そこに生まれた。ロックでもファンクでもアフリカでもない。全部でありながら、全部を裏切っている。 このアルバムには、MANDHELING G1を合わせる。重厚で、ダークで、土の匂いを引きずる豆だ。すっきりとは終わらない。喉の奥に、いつまでも居座る苦みがある。Bitches Brewも同じだ。聴き終えても、しばらく体の中で渦を巻いている。
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Peggy Lee / Black Coffee 【USED Vinyl】
¥1,800($11.47)
真夜中、眠れない。 床を歩きまわり、ドアを見張る。そのあいだにブラック・コーヒーを飲む。恋は使い古しのブルース。日曜の午後がどんなものか、この平日の部屋では永遠にわからない。午前一時から四時まで、影に話しかけている——「Black Coffee」の歌詞は、そういう夜の記録だ。 ペギー・リー。彼女は叫ばない。囁く。声を張り上げるかわりに、引く。その引き算が、聴く者の身を乗り出させる。ジューン・クリスティでもクリス・コナーでもない、この乾いた官能。ニコチンと、冷めたコーヒーと、来ない誰かを待つ時間。 1953年から56年、デッカ録音。ジミー・ロウルズのピアノ、ピート・キャンドリのトランペットが、煙のように寄り添う。派手な伴奏はいらない。この声には、余白がいちばん似合う。 「I've Got You Under My Skin」も、「There's A Small Hotel」も、彼女が歌うと違う色になる。明るい曲でも、どこかに夜の匂いが残る。それがペギー・リーだ。 針を落とせば、眠れない夜が始まる。 ──── COFFEE PAIRING ──── ブラックで。銘柄は問わない。 このレコードにミルクは要らない。砂糖も要らない。タイトルがすべてを言っている。ブラック・コーヒー。それだけだ。 強いて挙げるなら MANDHELING G1。深く、苦く、夜の重さを持つ一杯。眠れない夜の相棒として、これ以上のものはそうそうない。だが本当は、いま手元にあるブラックを、ただ黙って飲めばいい。ペギー・リーの声が、残りをやってくれる。
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John Coltrane / Meditations【USED Vinyl】 Impulse! AS-9110(US盤/King Records 直輸入・帯破れ・解説カード付)
¥5,500($35.06)
瞑想?どう考えても、これは叫びだ。 1966年2月、ジョン・コルトレーンは自らのカルテットにもう一人のテナーともう一人のドラマーを加えた。ファラオ・サンダースとラシッド・アリ。二本のサックスが唸り、二台のドラムが波のように押し寄せる。『至上の愛』で神に到達した男が、次に選んだのは対話ではなく、洪水だった。 「父と子と精霊」に始まり「安らぎ」に終わる。組曲としての体裁を取りながら、実際には途切れることのない一本の祈祷だ。美しさを求めていない。求めているのは、その先にあるものだけだ。 この盤には、そういう不均衡さがある。整った美とは違う場所で鳴っている。 paring coffee MANDHELING G1を合わせる。深煎り、重心の低い一杯。苦味の奥に眠る甘さは、二本のテナーがぶつかり合った後にようやく立ち上る静けさに似ている。 熊川宿の午後、この一枚を鳴らすなら、灯りは落としたほうがいい。
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Sonny Rollins / Alfie 【USED Vinyle】(帯付・日本盤・impulse! / MCA VIM-4639)
¥2,200($14.02)
女を次々に取り替える男の話に、Rollinsは10分のテナーで応えた。 1966年1月26日、ニューヨーク。 映画はロンドンで撮られ、音楽だけがここで吹き込まれた。 Alfie's Theme。歩くようなテンポで、短い動機が繰り返される。 Rollinsのテナーは、その上を悠々と外れていく。 編曲はOliver Nelson。9人編成のホーンが、律儀に背後を固める。 Kenny Burrellのギターが一度だけ前に出て、また引く。 映画の主人公は、最後に自分の生き方を疑いはじめる。 音楽はそこまで説明しない。 軽い足取りのまま、B面の終わりまで進んでいく。 聴き終えて、はじめて軽さの意味がわかる。 PAIRING COFFEE 一杯は、WOTE KONGAで。角のない口当たりと、後から来るやわらかな甘さ。Alfie's Themeの軽い足取りに、重すぎない一杯が寄り添う。
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Thelonious Monk / Solo On Vogue【USED Vinyl】
¥2,400($15.30)
ヴォーグのスタジオでたった一人、ピアノに向かった。 1954年6月7日、パリ。サル・プレイエル劇場での「サロン・ド・ジャズ」に出演するため滞在していたセロニアス・モンク、伴奏者はいない。誰の顔色もうかがわない。「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」の最初の一音から、間の取り方そのものが旋律になっている。弾かない音が、弾いた音と同じだけの重みを持つ。これがモンクにとって初めてのソロ・レコードだった。 「煙が目にしみる」を除く全曲がオリジナル。パーカーでもガレスピーでもない、ビ・バップの高僧と呼ばれた男の、素顔に近い一枚。 paring coffee このアルバムにはWOTE KONGAを合わせる。穏やかで、余韻の長い一杯。音と音の間にある沈黙を埋めない、そのままの間隔を保つコーヒー。 熊川宿の静かな午後には、こういう一人の時間がよく似合う。
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Gary Peacock / Keith Jarrett / Jack DeJohnette / Tales Of Another【USED Vinyl】
¥2,600($16.57)
ゲイリー・ピーコックが自らの名義で初めて西側世界に発表したリーダー作に、キース・ジャレットとジャック・ディジョネットを招いた。 1977年2月、ニューヨーク。 後に「スタンダーズ・トリオ」として知られることになる三人の、最初の記録がここにある。 全6曲、すべてピーコックの作曲。ベースが主導権を握りながらも、誰かが前に出るという構図にはならない。三者がそれぞれの間合いで、同じ重心を探り合っている。 オーネット・コールマンとの共演で「霊的コミュニケーション」を掴んだというピーコックの言葉通り、ここには段取りのない対話がある。 paring coffee このアルバムにはGAYO OLDを合わせる。輪郭がやや粗く、時間の経過を感じさせる一杯。抽象的な曲構成に、余計な甘さを添えないコーヒーがいい。 熊川宿の午後、レコードの回転音だけが響く時間に。
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Makaya McCraven / In These Times【USED Vinyl】
¥5,000($31.87)
恵比寿のブルーノートプレイスでマカヤの演奏を聴いたことがある。大きいアフロヘア、とてつもないグルーヴ。Big Smaileで終演後に握手した。 マカヤ・マクレイヴンは自分を「ビート・サイエンティスト」と呼ぶ。ドラマーでありながら、演奏を終わらせた後に本当の仕事が始まる男だ。生演奏をサンプリングし、切り貼りし、もう一度組み立て直す。ジャズが即興の一回性を神格化してきた歴史に対して、この男は録音物を粘土のように扱うことで別の答えを出した。 変拍子の作曲群と、大編成オーケストラのアレンジと、エディット主体のビートミュージック。三つの異なる時間軸が同じ盤の上で衝突する。過去と現在と未来が、境界線を破って混ざり合う。タイトル曲にはスタッズ・ターケルのラジオ・アーカイブからの音声が使われている。シカゴという街の記憶ごと、この作品には練り込まれている。 この一枚には、GAYO OLDを合わせる。クラシックであり、革新的だ。古びているのに現代にある。そういうものを愛している。
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Gary Burton・Chick Corea / Crystal Silence【USED Vinyl】
¥2,800($17.85)
ヴァイブとピアノだけで一枚のアルバムを作る。ベースもドラムもいらない。この編成そのものが、当時のジャズにとって一種の宣戦布告だった。リズム隊という後ろ盾を捨てて、二つの旋律楽器だけで空間を持たせる。それができるのは、余計な音を出さない胆力を持った人間だけだ。 チック・コリアは当時まだ30そこそこ。すでにマイルスのバンドを経て、リターン・トゥ・フォーエヴァーで名を上げつつあった。ゲイリー・バートンはインディアナ生まれ、カントリー畑からロックへ、そしてヴァイブの世界へと転がり込んだ変わり種だ。畑違いの二人が、なぜかここでは息が合いすぎている。テーマが一方の楽器から始まり、もう一方に受け渡される。その渡し方に、一切の淀みがない。 マンフレート・アイヒャーという男がこの空気を作った。コマーシャリズムに毒されたアメリカのジャズ・レコード業界の裏をかくように、ミュンヘンの小さなレーベルから、静けさそのものを録音する技術を磨き上げた。オスロの一夜、ふたりの楽器の音が、次の日には結晶になっていた。 この一枚には、mementoを合わせる。
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Cyrille Aimée / à Fleur de Peau 【USED Vinyl】 Trans-Turquoise限定盤
¥4,200($26.77)
「Inside And Out」は、書いた当初、彼女自身がソングライターとしての自分を信じられず、何年も眠らされたままだった。パンデミックが来て、彼女はコスタリカに買っていた土地に移り住み、たった一人で家を設計し、building した。 その家がクリエイティブな出口になり、そこから曲がまた生まれ始めた。 ジプシー・ジャズの巨匠たちに手ほどきを受けたフランス出身の歌い手、というのがこれまでシリル・エイメの語られ方だった。フランスからニューヨーク、そしてニューオーリンズへ。他人の作った名曲の解釈者として評価を積み上げてきた。だが本作は違う。すべて自作、すべて自分の物語。プロデューサーのジェイク・シャーマンとふたりきりで、彼女のギターとバリトン・ウクレレの弾き語りに、彼が骨董品のような楽器群で層を重ねていく。心の奥から流れ出るものを、そのまま録った。 paring coffee このアルバムに似合うのはWOTE KONGA。 ジャンルは関係ない、フレッシュな気持ちにしてくれる。
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Zoot Sims Quartet / Zoot LP 国内盤【USED Vinyl】
¥1,800($11.47)
ブレている。その表情が怒りとも悲しみともつかないZootの第一印象となった。 1956年10月12日の録音。ズート・シムズは白人テナーの中でも異色の存在だった。マイルス・デイヴィスにさえ評価されたという逸話が、そのままこの盤の説得力になっている。レスター・ヤングから受け継いだ歌心を、若干の崩れも許しながら、まっすぐ吹き抜ける。ワン・ホーンのカルテット編成だからこそ、余計な仕掛けがすべて削ぎ落とされている。 ジョニー・ウィリアムスのピアノが控えめに寄り添い、ノビー・トッターのベースとガス・ジョンソンのドラムが、ただ歩くようにリズムを刻む。派手さのない4人が、ズートという一人の魅力だけを浮かび上がらせるために存在している。 この一枚には、WOTE KONGAを合わせる。メロウで、バラードのように解けていく豆だ。ズートの吹く"The Man I Love"や"That Old Feeling"のように、構えず、ただ寛いで聴くための一杯になる。
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Max Roach & Clifford Brown / In Concert 【USED Vinyl】
¥2,200($14.02)
1954年、ロサンゼルス。カリフォルニア・クラブという店で、二度のライヴが行われた。4月と8月。同じ年でも、メンバーは半分入れ替わっている。テディ・エドワーズからハロルド・ランドへ。カール・パーキンスからリッチー・パウエルへ。 だがマックス・ローチとクリフォード・ブラウンは、変わらずそこにいる。師弟でも兄弟でもない、もっと直接的な信頼の形がそこにある。 もともとは10インチ盤2枚に散っていた演奏だった。12インチ化の際に、時間の都合でソロが切り刻まれた。誰も気づかないまま、何十年もそうやって流通していた。1984年、ようやく元の尺のまま、日本で一枚に編まれた。切られた小節が、戻ってきた。 ジョン・ブラントの手による装丁だ。矢の先には黒いシンバルの雲。何かが放たれた瞬間を、そのまま額に入れて飾ったようなジャケットだ。 この一枚には、あえてブレンドのmementoを合わせる。味わいが調和を重んじる一方でブラウンのトランペットも、ローチのドラムも、鳴り終わった後にまだ何か言い足りていない。そういう感触がある。
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V.A. / Jazz Piano Classics On Blue Note LP 【USED Vinyl】
¥2,200($14.02)
赤の上に、黒い影が二つ。片方は鍵盤に向かって腕を伸ばし、もう片方は椅子に半身をひねって天井を仰いでいる。ジャケットのデザインそのものが、もうリズムを持っている。 ジェームス・P・ジョンソン、アール・ハインズ、アルバート・アモンズ、ミード・"ラックス"・ルイス。ストライドとブギウギ、二つの手法が同じ赤の中で並んでいる。1939年から43年にかけての録音を、1983年になってキングレコードが一枚に編んだ。左手が刻む律動の上で、右手だけが自由に動き回る。その構造そのものが、後のジャズピアノの骨格を作った。 技巧を誇るでもなく、ただ鍵盤を叩き続けることで、部屋の空気を変えていく。そういう種類の音楽だ。 この一枚には、ブレンド、mementoを合わせる。ピアノという楽器そのものに耳を寄せる時間のための一杯だ。派手さはないが、輪郭がはっきりしている。ジョンソンの指の運びと同じように、静かに、しかし着実に効いてくる。
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The Modern Jazz Quartet / Concorde 【USED Vinyl】
¥1,800($11.47)
ジャズにタキシードを着せた四人組がいた。 モダン・ジャズ・クァルテット。ステージに現れるとき、四人は必ず正装だった。ヴァイブ、ピアノ、ベース、ドラム。バップの汗と煙から生まれた音楽に、彼らは背筋を通した。ブロウしない。叫ばない。ジョン・ルイスのフーガが、バッハの対位法をハーレムの夜に接続する。 1955年7月2日、ヴァン・ゲルダー・スタジオ。この盤で、コニー・ケイが初めてドラムに座った。ケニー・クラークの後任。全編を貫く彼のシンバル・ワークは、白熱していながら、決して前に出ない。抑制こそが熱を高めるということを、この四人は知っていた。 表題曲「Concorde」。ルイスがパリの街の名を冠した一曲だ。フランスへの憧れ、ヨーロッパの伝統。だがそれは単なる模倣ではない。得意のフーガ形式に、即興という譲れない核が埋め込まれている。ルイスとジャクソンの見事な調和。この一曲だけで、MJQが最高のモダン・ジャズ・コンボであることの証明になる。 ミルトのヴァイブが歌い、ルイスのピアノが応える。掛け合いは双子のようだ。誰が主役でもない。四人で一つ。それがこの楽団の、最初からの流儀だった。 針を落とせば、端正な熱が部屋を満たす。急がず、崩れず、美しく。 ──── COFFEE PAIRING ──── memento 店の名を冠した豆。派手な個性で押すのではなく、全体の調和で聴かせる——その在り方が、この楽団とよく似ているからだ。 バランスのとれた甘さと、静かな余韻。ジョン・ルイスの端正なタッチのように、出しゃばらない。だが確かな芯がある。「朝日のようにさわやかに」を聴きながら、ゆっくり飲むのがいい。
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The Modern Jazz Quartet and The All-Star Jazz Band / Jazz Dialogue LP 国内盤【USED Vinyl】
¥1,200($7.65)
対話、というタイトルの通り、腕と腕が触れ合うようだ。 MJQというコンボが、オーケストラと初めて対等に向き合った一枚。ジョン・ルイスは自分たちの当たり曲を、大編成のために書き直した。クラーク・テリー、フィル・ウッズ、ケイ・ウィンディングといった名うてのプレイヤーたちが集められ、コンボとビッグバンドが互いに譲らず、それでいて溶け合っている。優雅なだけだったルイスのオーケストレーションに、これまでにない乾いた強さが加わった一枚だ。 ジャンゴ、ホーム、ワン・ネバー・ノウズ。すでに手の内に入った曲を、もう一度別の言葉で語り直す。それが「対話」という題の意味だ。 この一枚には、mementoを合わせる。ピアノ・トリオ的な静けさと、じっくり構える室内楽的な感触を持つ豆だ。ミルト・ジャクソンのヴァイブが、オーケストラの中で一音ずつ丁寧に応答していくように、この一杯も慌てず、丁寧に淹れたい。
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Scott Joplin / The Entertainer LP 西ドイツ盤【USED Vinyl】
¥1,200($7.65)
ピアノロールという発明は、演奏家を消して、演奏だけを残す。指の記憶を紙の穴に置き換え、体を殺して音だけを永続させる。これほど禁欲的な記録媒体があるだろうか。ジョプリンはこの装置に、自分の指を売り渡した。 アスタリスクの付いた曲だけが本人の演奏で、あとは誰の指かも分からない。それでいい。ラグタイムというジャンルそのものが、最初から匿名の音楽だった。サルーンのピアノ弾きに名前などいらない。踊る足だけがあればよかった。 メイプル・リーフ・ラグが鳴る。左手が正確に、機械のように刻む。右手だけが自由を持つ。この分業こそが、後のジャズに受け継がれた骨格だ。スイングもビバップも、根を辿ればこの左手の几帳面さに行き着く。 紙の穴から蘇った音に、湿った感傷はいらない。乾いた記録を、乾いたまま受け取る。 この一枚には、GAYO OLDを合わせる。枯れて、乾いて、アーカイブの匂いがする豆だ。
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Sonny Rollins / Way Out West 【USED Vinyl】
¥1,800($11.47)
1957年3月7日、午前3時、ロサンゼルス。 三人は昼間、それぞれ別のスタジオ仕事で潰れていた。だからセッションは真夜中に呼ばれた。ソニー・ロリンズ、レイ・ブラウン、シェリー・マン。この三人が同じ部屋で演奏するのは、これが初めてだった。ピアノはいない。テナー、ベース、ドラムだけ。逃げ場のない編成だ。和音の布団はない。裸で立つしかない。 明け方7時。四時間ぶっ通しで半分録り終えた頃、ロリンズが言った。「今、乗ってる」。24時間起きていたシェリーが返した。「俺も弾きたくなってきた」。疲れ切っていたレイは、ただ笑った。 そこから「Way Out West」が生まれた。西へ来たことを祝う、ロリンズの自作。 ジャケットのロリンズを見ろ。ステットソン帽、ガンベルト、ホルスター。荒野にサックスを提げて立っている。カウボーイ映画で育ったニューヨークの子供が、初めて本物の西部に来た。冗談のような格好だ。だが音は冗談じゃない。「I'm An Old Cowhand」の馬の蹄のようなリズム。これほど自由で、これほど堂々とした演奏は、そうそうない。 十六分の音楽が、三十分で録れた。針を落とせば、あの夜明けの空気が戻ってくる。 ──── COFFEE PAIRING ──── GAYO OLD オールドクロップ特有の、乾いた土の質感。角の取れた深み。派手な酸はない。かわりに、どっしりとした落ち着きがある。 西部の荒野、明け方の乾いた空気。ロリンズのテナーの図太さ。この盤に必要なのは、華やかさではなく、地面のような重さだ。深めに淹れて、ゆっくり飲む。急がなくていい。あの夜明けの三人が、急がなかったように。
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Eric Dolphy / Last Date LP Mercury【Used Vinyl】
¥3,500($22.31)
1964年6月2日、オランダのヒルフェルサム。その27日後、エリック・ドルフィーはベルリンで死んだ。36歳だった。 このアルバムが「ラスト・デイト」と名付けられたのは、そういう事情による。録音当日、ドルフィーはそのことを知らなかった。ミシャ・メンゲルベルクのトリオと、招待客だけの小さな部屋で演奏した。終演後、ドルフィーはトリオのメンバーに手紙を書いた。またいつか一緒にやろう、と。その手紙がドラマーのハン・ベニンクに届いたのは、ドルフィーの死から二日後だった。 フルート、バスクラリネット、アルトサックス。ドルフィーは三本の楽器を持ち替えながら演奏した。"You Don't Know What Love Is"では、フルートとボウイングされたベースだけが鳴る。それが人間の声に聴こえる瞬間がある。アルバムの最後、"Miss Ann"が終わった後、ドルフィーの声が録音されている。「音楽は、聴き終わったら空気の中に消える。二度と捕まえられない」と彼は言った。 それが、最後の言葉になった。 ペアリングコーヒーはマンデリンG1。深煎りの奥に、消えていく何かの気配がある。
福井県公安委員会許可第 521130011322 号
道具商
memento 株式会社

