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Miles Davis / Bitches Brew LP 2枚組 US盤【USED Vinyl】
¥4,400
黒い渦だ。ジャケットを開けば、そこにはもう秩序というものがない。マティ・クラーワインの絵が、燃える花と割れた横顔を並べて、何かの儀式を予告している。1969年、8月。ニューヨークのスタジオで、マイルスは楽器を減らすかわりに、楽器の数を増やした。エレクトリックピアノが三台。ベースが二本。ドラムが二人。もう誰にも制御できない密林を、あえて作った。 テオ・マセロの編集鋏が、その密林に道をつけた。切って、貼って、また切って。ジャズという言葉がもう追いつかない音楽が、そこに生まれた。ロックでもファンクでもアフリカでもない。全部でありながら、全部を裏切っている。 このアルバムには、MANDHELING G1を合わせる。重厚で、ダークで、土の匂いを引きずる豆だ。すっきりとは終わらない。喉の奥に、いつまでも居座る苦みがある。Bitches Brewも同じだ。聴き終えても、しばらく体の中で渦を巻いている。
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John Coltrane / Meditations【USED Vinyl】 Impulse! AS-9110(US盤/King Records 直輸入・帯破れ・解説カード付)
¥5,500
瞑想?どう考えても、これは叫びだ。 1966年2月、ジョン・コルトレーンは自らのカルテットにもう一人のテナーともう一人のドラマーを加えた。ファラオ・サンダースとラシッド・アリ。二本のサックスが唸り、二台のドラムが波のように押し寄せる。『至上の愛』で神に到達した男が、次に選んだのは対話ではなく、洪水だった。 「父と子と精霊」に始まり「安らぎ」に終わる。組曲としての体裁を取りながら、実際には途切れることのない一本の祈祷だ。美しさを求めていない。求めているのは、その先にあるものだけだ。 この盤には、そういう不均衡さがある。整った美とは違う場所で鳴っている。 paring coffee MANDHELING G1を合わせる。深煎り、重心の低い一杯。苦味の奥に眠る甘さは、二本のテナーがぶつかり合った後にようやく立ち上る静けさに似ている。 熊川宿の午後、この一枚を鳴らすなら、灯りは落としたほうがいい。
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Thelonious Monk / Solo On Vogue【USED Vinyl】
¥2,400
ヴォーグのスタジオでたった一人、ピアノに向かった。 1954年6月7日、パリ。サル・プレイエル劇場での「サロン・ド・ジャズ」に出演するため滞在していたセロニアス・モンク、伴奏者はいない。誰の顔色もうかがわない。「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」の最初の一音から、間の取り方そのものが旋律になっている。弾かない音が、弾いた音と同じだけの重みを持つ。これがモンクにとって初めてのソロ・レコードだった。 「煙が目にしみる」を除く全曲がオリジナル。パーカーでもガレスピーでもない、ビ・バップの高僧と呼ばれた男の、素顔に近い一枚。 paring coffee このアルバムにはWOTE KONGAを合わせる。穏やかで、余韻の長い一杯。音と音の間にある沈黙を埋めない、そのままの間隔を保つコーヒー。 熊川宿の静かな午後には、こういう一人の時間がよく似合う。
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Jan Garbarek / Keith Jarrett / Palle Danielsson / Jon Christensen / Belonging【USED Vinyl】
¥2,600
1974年4月、オスロ。 キース・ジャレットはヤン・ガルバレク、パレ・ダニエルソン、ヨン・クリステンセンという北欧の三人と、ほとんど初対面に近い距離感でスタジオに入った。それでも音は、初めから互いを知っているかのように鳴った。 ECMのプロデューサー、マンフレート・アイヒャーが記録した二日間。8曲すべてがジャレットのオリジナルで、荒々しいゴスペル的躍動と、静かに歌う抒情とが交互に訪れる。ガルバレクのテナーは土地の匂いを持たず、むしろ空気そのものを鳴らす。 「ヨーロピアン・カルテット」と呼ばれるようになるこの編成の、最初の記録。 mementoを合わせる。輪郭のはっきりした一杯は、ジャレットのピアノが持つ透明な運動感によく寄り添う。この4人のアンサンブルの妙をブレンドに例えて。
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Gary Peacock / Keith Jarrett / Jack DeJohnette / Tales Of Another【USED Vinyl】
¥2,600
ゲイリー・ピーコックが自らの名義で初めて西側世界に発表したリーダー作に、キース・ジャレットとジャック・ディジョネットを招いた。 1977年2月、ニューヨーク。 後に「スタンダーズ・トリオ」として知られることになる三人の、最初の記録がここにある。 全6曲、すべてピーコックの作曲。ベースが主導権を握りながらも、誰かが前に出るという構図にはならない。三者がそれぞれの間合いで、同じ重心を探り合っている。 オーネット・コールマンとの共演で「霊的コミュニケーション」を掴んだというピーコックの言葉通り、ここには段取りのない対話がある。 paring coffee このアルバムにはGAYO OLDを合わせる。輪郭がやや粗く、時間の経過を感じさせる一杯。抽象的な曲構成に、余計な甘さを添えないコーヒーがいい。 熊川宿の午後、レコードの回転音だけが響く時間に。
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Makaya McCraven / In These Times【USED Vinyl】
¥5,000
恵比寿のブルーノートプレイスでマカヤの演奏を聴いたことがある。大きいアフロヘア、とてつもないグルーヴ。Big Smaileで終演後に握手した。 マカヤ・マクレイヴンは自分を「ビート・サイエンティスト」と呼ぶ。ドラマーでありながら、演奏を終わらせた後に本当の仕事が始まる男だ。生演奏をサンプリングし、切り貼りし、もう一度組み立て直す。ジャズが即興の一回性を神格化してきた歴史に対して、この男は録音物を粘土のように扱うことで別の答えを出した。 変拍子の作曲群と、大編成オーケストラのアレンジと、エディット主体のビートミュージック。三つの異なる時間軸が同じ盤の上で衝突する。過去と現在と未来が、境界線を破って混ざり合う。タイトル曲にはスタッズ・ターケルのラジオ・アーカイブからの音声が使われている。シカゴという街の記憶ごと、この作品には練り込まれている。 この一枚には、GAYO OLDを合わせる。クラシックであり、革新的だ。古びているのに現代にある。そういうものを愛している。
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Gary Burton・Chick Corea / Crystal Silence【USED Vinyl】
¥2,800
ヴァイブとピアノだけで一枚のアルバムを作る。ベースもドラムもいらない。この編成そのものが、当時のジャズにとって一種の宣戦布告だった。リズム隊という後ろ盾を捨てて、二つの旋律楽器だけで空間を持たせる。それができるのは、余計な音を出さない胆力を持った人間だけだ。 チック・コリアは当時まだ30そこそこ。すでにマイルスのバンドを経て、リターン・トゥ・フォーエヴァーで名を上げつつあった。ゲイリー・バートンはインディアナ生まれ、カントリー畑からロックへ、そしてヴァイブの世界へと転がり込んだ変わり種だ。畑違いの二人が、なぜかここでは息が合いすぎている。テーマが一方の楽器から始まり、もう一方に受け渡される。その渡し方に、一切の淀みがない。 マンフレート・アイヒャーという男がこの空気を作った。コマーシャリズムに毒されたアメリカのジャズ・レコード業界の裏をかくように、ミュンヘンの小さなレーベルから、静けさそのものを録音する技術を磨き上げた。オスロの一夜、ふたりの楽器の音が、次の日には結晶になっていた。 この一枚には、mementoを合わせる。
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Eric Dolphy / Last Date LP Mercury【Used Vinyl】
¥3,500
1964年6月2日、オランダのヒルフェルサム。その27日後、エリック・ドルフィーはベルリンで死んだ。36歳だった。 このアルバムが「ラスト・デイト」と名付けられたのは、そういう事情による。録音当日、ドルフィーはそのことを知らなかった。ミシャ・メンゲルベルクのトリオと、招待客だけの小さな部屋で演奏した。終演後、ドルフィーはトリオのメンバーに手紙を書いた。またいつか一緒にやろう、と。その手紙がドラマーのハン・ベニンクに届いたのは、ドルフィーの死から二日後だった。 フルート、バスクラリネット、アルトサックス。ドルフィーは三本の楽器を持ち替えながら演奏した。"You Don't Know What Love Is"では、フルートとボウイングされたベースだけが鳴る。それが人間の声に聴こえる瞬間がある。アルバムの最後、"Miss Ann"が終わった後、ドルフィーの声が録音されている。「音楽は、聴き終わったら空気の中に消える。二度と捕まえられない」と彼は言った。 それが、最後の言葉になった。 ペアリングコーヒーはマンデリンG1。深煎りの奥に、消えていく何かの気配がある。
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The Eminent Jay Jay Johnson Volume 1 【Used Vinyl】
¥5,500
The Eminent Jay Jay Johnson Volume 1 Blue Note 1505 / 1953 トロンボーンがここまで速く動けるとは、知らなかった。JJジョンソンはビバップをトロンボーンに持ち込んだ。誰もできないと思っていたことを、ただやった。クリフォード・ブラウンが横にいる。若いミンガスが下を支えている。全員、急いでいる。急いでいるのに、ちっとも雑ではない。コーヒーが届く前に、A面が終わった。ペアリングはmemento。記憶という意味のブレンドは中深煎りでバランスがいい。速さの中に軸がある、このアルバムに似ている。
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DJANGO - MODERN JAZZ QUARTET 【Used Vinyl】
¥2,200
タイトル曲「Django」は、1953年に死んだギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトへの追悼だ。作曲したのはピアニストのジョン・ルイス。しかし音楽は悲しくない。静かで、端正で、どこか遠い場所を見ている。 モダン・ジャズ・カルテットは四人だ。ミルト・ジャクソンのヴァイブラハープ、ジョン・ルイスのピアノ、パーシー・ヒースのベース、ケニー・クラークのドラム。騒がしくない。主張しすぎない。それでいて、誰一人いなくなったら成立しない音楽だ。 タキシードを着てコンサートホールで演奏するジャズ、と言われた。批判する人もいた。しかしルイスはバッハを愛していた。その愛が、ジャズの語法と静かにぶつかっている。 コーヒーはYIRGACHEFFE ARICHAがいい。深煎りの奥に、花の気配がある。端正な外見の下に、何かが宿っているものだ。
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Herbie Mann – Herbie Mann At The Village Gate【USED Vinyl】
¥1,940
コーヒーが冷めるまでの時間に、何かを考えようとして、何も考えられなかった。そういう午後がある。 Herbie Mann – At The Village Gate Atlantic SD 1380 / 1962 1961年11月、Village Gate。Herbie Mannはフルートを持って、三曲だけ吹いた。それで十分だった。"Comin' Home Baby"、"Summertime"、"It Ain't Necessarily So"。最後の一曲は二十分つづく。長いとは思わない。コンガが鳴りやまないから。 アフロ・キューバンとボサノヴァとハードバップ。どれでもある、どれでもない。ジャンルというのは、後から人間が貼るラベルだ。音楽はその前から、ただ鳴っている。 カップを持ち上げると、もうぬるかった。 Paring Coffee あえてのマンデリン。スパイシーに、エキゾチックに。
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John Coates Jr. Alone and Live at the Deer Head【USED Vinyl】
¥2,200
ペンシルバニア州の小さな町に、Deer Headというジャズクラブがある。John Coates Jr.は生涯その町を離れなかった。 ピアノは一台。観客がいる。録音がある。それだけだ。余計なものが何もない分、音のひとつひとつが妙にくっきり聴こえる。有名ではない。しかし、忘れられない。 そういう人間が、どこにでも一人はいる。コーヒーを淹れながら、それが誰だったか考えた。 Pairing Coffee:MANDHELING G1。深緑色のような香り、スパイシーで甘い。町の奥にひっそりある何かに、似ている。
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Curtis Fuller - Blues-ette 【USED Vinyl】
¥2,400
トロンボーンというのは、重い楽器だ。音が低く、動きが遅い。少なくとも、そう思われている。カーティス・フラーはそれを否定しない。ただ、重さを使って別のことをする。"Five Spot After Dark"が始まると、ベニー・ゴルソンのテナーサックスとフラーのトロンボーンが、ほぼ同じ速さで動いている。重さと速さが共存している。それが不思議で、しばらく聴き続けてしまう。1959年5月21日、ルディ・ヴァン・ゲルダーのスタジオ。一日で録音した。トミー・フラナガンのピアノが、全体をそっと持ち上げている。ジミー・ギャリソンのベースが、底で静かに鳴っている。後にコルトレーンのバンドに入る二人が、この日はフラーの後ろにいる。AllMusicは4.5点をつけて「リラックスしたハードバップの名盤。これなしに本格的なジャズコレクションは語れない」と書いた。大げさではない。コーヒーはMANDHELING G1がいい。深く、スパイシーで、しかし底に甘さがある。フラーのトロンボーンの音と、少し似ている。
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Stan Getz – Stan Getz Quartets【USED Vinyl】
¥2,350
スタン・ゲッツのテナーは、湿っていない。 クールジャズと呼ばれるものの多くは、どこかひんやりして人を遠ざけるような感触がある。ゲッツは違う。冷静だが、近い。バップのフレーズを息を切らさずに吹く。余裕があるのに、緊張感が消えない。 コーヒーの湯気が、静かに消えた。 スタンゲッツにはエチオピアが似合う。浅くても、深くても。WOTE KONGAの切れ味、紅茶のような軽さ。ゲッツのテナーに似た、涼しい後味だ。
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The Jimmy Giuffre 3 【USED Vinyl】
¥2,400
音が少ない。 ジミー・ジュフリー、ジム・ホール、ラルフ・ペーニャ。三人しかいない。ドラムもない。ピアノもない。それでも音楽は成立する。音が少ないから、一音一音の重さがちゃんとわかる。 "The Train and the River"を聴いてほしい。川が見える。列車が通る。コーヒーの香りがそこにある、気がした。 Pairing Coffee:memento。深煎り、バランスがいい、主張しすぎない。音の少ない空間に、静かに溶ける。
福井県公安委員会許可第 521130011322 号
道具商
memento 株式会社

