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Wes Montgomery / So Much Guitar! 【USED Vinyl】

¥1,800

残り1点

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ピックを使わない男がいた。

インディアナポリス。昼はラジオ工場で働き、夜はクラブで弾いた。近所迷惑になるからと、親指の腹で弦を撫でるように弾く癖がついた。それが世界を変えた。制約が様式になる。貧しさが音色になる。そういうことは、ときどき起こる。

1961年8月4日、ニューヨーク。ハンク・ジョーンズのピアノ、ロン・カーターのベース、レックス・ハンフリーズのドラム、レイ・バレットのコンガ。ウェスは三十八歳。名声はまだ追いついていない。だが指はもう完成している。

親指は速く弾けない。だから必要な音しか弾かない。装飾を削ぎ落とし、輪郭だけが残る。オクターヴが鳴るとき、そこには二本の弦しかないのに、部屋がひとつ埋まる。

「While We're Young」の一音目で、わかる。この男は急いでいない。急ぐ必要がない者の音だ。

──── COFFEE PAIRING ────

YIRGACHEFFE ARICHA

ナチュラルプロセス特有の、熟した果実の甘さ。輪郭がくっきりしていて、余分な要素がない。ウェスの親指が削ぎ落とした音の在り方と、この豆の澄み方は同じ場所にある。
冷めていく過程で甘さが立ち上がってくる。

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『So Much Guitar!』は、ウェス・モンゴメリーがリヴァーサイドに残した1961年8月4日録音の一枚だ。オリジナルは Riverside RLP 382。本盤はその Original Jazz Classics(OJC)による再発。

編成が良い。ハンク・ジョーンズ(p)、ロン・カーター(b)、レックス・ハンフリーズ(ds)、そしてレイ・バレット(congas)。バレットのコンガが入ることで、リズムに独特の熱が生まれている。プロデュースとライナーは、リヴァーサイドの創設者オリン・キープニュース。

ウェスの奏法はピックを使わず親指のみ。工場勤めをしながら夜にクラブで弾いていた時代、隣人への配慮から生まれたこの弾き方が、あの丸く太いトーンを生んだ。オクターヴ奏法とブロック・コードによるコード・メロディも、この人の発明だ。

冒頭「Twisted Blues」から飛ばす。「I Wish I Knew」では親指の一音一音が左から迫り出してくる。そしてB面の「While We're Young」——コード・メロディによるバラードの決定版。多くの聴き手がこの一曲のために盤を裏返す。

派手さより、密度。ジャズ・ギターの教科書であり、同時に教科書を超えた一枚。

Condition

盤 (Media): VG+
ジャケット (Sleeve): NM(シュリンク付き)



■ 盤面 (Vinyl) — VG+
Side A / Side B ともに光沢良好。目立つ大きなキズはない。ライトを当てると経年相応のヘアライン(細かな薄スレ)がうっすら確認できるが、深いスクラッチはなく良好な状態。レーベル面も汚れ・書き込みなし。
デッドワックス刻印:OJC233 As

■ ジャケット (Jacket) — NM
オリジナルのシュリンク(収縮フィルム)が付いたまま残る良好な個体。角のつぶれ・リングウェア・シームスプリット(継ぎ目の裂け)はいずれも見られない。印刷・光沢とも鮮明。
※シュリンクは経年により若干のシワ・張りの緩みがある場合がある。

■ 付属
インナースリーブ付属。

※コンディション評価はあくまで主観による。中古品・経年品であることを理解のうえ判断のこと。

info

【詳細情報 / Detailed Information】

アーティスト:Wes Montgomery(ウェス・モンゴメリー)
タイトル:So Much Guitar!
レーベル:Original Jazz Classics / Fantasy, Inc.
カタログ番号:OJC-233
原盤:Riverside RLP 382(1961年)
フォーマット:LP, Album, Reissue
回転数:33 1/3 rpm
録音:1961年8月4日、ニューヨーク
デッドワックス:OJC233 As
製造:アメリカ(Printed in U.S.A.)
プロデュース:Orrin Keepnews
ライナーノーツ:Orrin Keepnews

──────────────────────
【トラックリスト / Tracklist】

Side A
1. Twisted Blues (Wes Montgomery)
2. Cottontail (Duke Ellington)
3. I Wish I Knew (Gordon-Warren)
4. Repetition (Neal Hefti)

Side B
1. Somethin' Like Bags (Wes Montgomery)
2. While We're Young (Wilder-Engvick-Palitz)
3. Bock To Bock (Wes Montgomery)
4. One For My Baby (Arlen-Mercer)

※曲順・曲目はプレスにより表記差がある場合あり。出品時は現物のジャケット/レーベル表記を優先のこと。

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【パーソネル / Personnel】

Wes Montgomery — guitar
Hank Jones — piano
Ron Carter — bass
Lex Humphries — drums
Ray Barretto — congas

Recorded August 4, 1961, New York City
Produced by Orrin Keepnews

── Orrin Keepnews 執筆

リヴァーサイドの創設者にしてウェスの発見者でもあるキープニュースが、このアルバムのタイトルについて語るところから始まる。「So Much Guitar!」——これは誇張ではなく、事実の記述である、と。

キープニュースが強調するのは、ウェスがこの時期に到達していた領域の広さだ。ブルース、スタンダード、オリジナル、そしてエリントン。どの素材を与えても、ウェスはそれを自分の言語に翻訳してしまう。その翻訳の速度と正確さこそが、彼を同時代の他のギタリストから隔てている。

親指奏法についても触れられる。ピックを使わないという選択は、単なる奇癖ではない。あの独特の丸みを帯びたトーン、アタックの柔らかさ、そしてオクターヴ奏法の滑らかさは、すべてこの奏法から必然的に導かれたものだ。制約が様式を生んだ稀有な例として。

共演者への言及も細かい。ハンク・ジョーンズの控えめでありながら的確なコンピング。当時まだ若いロン・カーターのベース。そしてレイ・バレットのコンガが加わることで生まれる、リヴァーサイド期のウェス作品の中でも独特の熱を持ったリズム・セクション。

「While We're Young」については特筆される。コード・メロディによるバラード解釈として、ウェスの表現力が最も凝縮された一曲だと。

キープニュースは最後に、このアルバムがウェスのキャリアの「途上」にあることを指摘する。まだ商業的な成功は訪れていない。だが音楽的には、すでに完成している。その事実こそが、このレコードを聴く理由だと。

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