Scott Joplin / The Entertainer LP 西ドイツ盤【USED Vinyl】
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ピアノロールという発明は、演奏家を消して、演奏だけを残す。指の記憶を紙の穴に置き換え、体を殺して音だけを永続させる。これほど禁欲的な記録媒体があるだろうか。ジョプリンはこの装置に、自分の指を売り渡した。
アスタリスクの付いた曲だけが本人の演奏で、あとは誰の指かも分からない。それでいい。ラグタイムというジャンルそのものが、最初から匿名の音楽だった。サルーンのピアノ弾きに名前などいらない。踊る足だけがあればよかった。
メイプル・リーフ・ラグが鳴る。左手が正確に、機械のように刻む。右手だけが自由を持つ。この分業こそが、後のジャズに受け継がれた骨格だ。スイングもビバップも、根を辿ればこの左手の几帳面さに行き着く。
紙の穴から蘇った音に、湿った感傷はいらない。乾いた記録を、乾いたまま受け取る。
この一枚には、GAYO OLDを合わせる。枯れて、乾いて、アーカイブの匂いがする豆だ。
Scott Joplin『The Entertainer』。「Classic Jazz Masters」シリーズの一枚(カタログ番号22022 / VR 22530)、西ドイツ盤。ラグタイムの王として知られるスコット・ジョプリンの楽曲を、当時のピアノロールから復刻収録した一枚。
アスタリスク(+)の付いた曲のみがスコット・ジョプリン自身の演奏によるピアノロールで、それ以外のトラックの演奏者については特定されていない。ジャケットには各曲の作曲年が記載されているが、ピアノロールそのものの録音年は正確には分かっていない旨が明記されている。
裏ジャケットにはジョプリンの遺作オペラ「トリーモニシャ」の楽譜表紙も掲載されており、アフリカ系アメリカ人の音楽文化とラグタイムの成り立ちについての英文解説が付されている。
収録:
Side A
1. Original Rags(S. Joplin)+ 1899
2. Maple Leaf Rag(S. Joplin)+ 1899
3. Sunflower Slow Drag(S. Joplin/S. Hayden)+ 1901
4. The Entertainer(S. Joplin) 1902
5. Something Doing(S. Joplin/S. Hayden) 1903
6. Weeping Willow Rag(S. Joplin)+ 1903
7. The Cascades(S. Joplin) 1904
Side B
1. Fig Leaf Rag(S. Joplin)+ 1908
2. Pineapple Rag(S. Joplin) 1908
3. Euphonic Sounds(S. Joplin) 1913
4. Stoptime Rag(S. Joplin) 1910
5. Scott Joplin's New Rag(S. Joplin/S. Hayden)+ 1912
6. Magnetic Rag(S. Joplin) 1914
Sleeve: VG+
白地に黒文字のグラフィカルなデザイン。年代相応のコンディションで、発色は保たれている。
Media: VG+
盤面はおおむね良好。細かなヘアラインが見られるが、深い傷や白濁は確認できない。
Label: CLASSIC JAZZ MASTERS(オレンジ地)、MCPS表記。Made in W-Germany。カタログ番号22022(VR 22530)。デッドワックス "08-22530-1B-A"。
アーティスト: Scott Joplin
タイトル: The Entertainer
シリーズ: Classic Jazz Masters
カタログ番号: 22022(VR 22530)
フォーマット: LP、Stereo
国: 西ドイツ(Made in W-Germany)
デッドワックス: Side 1 "08-22530-1B-A"
ライセンス表記: MCPS
アルバムデザイン: Studio Wondergem g.v.n., Baarn, Holland
音源: 当時のピアノロールからの復刻(一部楽曲のみScott Joplin本人の演奏)
音楽は米国の黒人の生活の中で常に大きな位置を占めてきた。バンジョー、ギター、田舎風のフィドル、管楽器の演奏や歌唱には独自の性格がある。アフリカ由来の要素をはっきりと特定できるケースは限られるが、アフロ・アメリカン音楽全体は多様なフォークソングやフォーク・ミュージックが創造的に混ざり合った結果である。明示的なビートという音楽的機能は、有色人種の音楽に典型的であり、アフリカに由来すると考えられる。
この新しい音楽は、白人の音楽にも強い影響を与えた。エンターテイナーたちは早くからこれを利用し、自分たちの演目をより生き生きと彩ろうとしたが、白人の演奏は黒人音楽が持つ強いバウンス感やメロディックな流れを本当の意味では捉えきれなかった。ミンストレル・ソングやクーン・ソングもまた深みを欠いていた。黒人系のアーティストがミンストレル・ショーに出演することもあったが、有色人種の音楽家が最も自然に稼げる場所は、サルーンや裏通りの酒場など、体裁を気にしない人々が集まる場所だった。そうした場所で、ジョプリンのようなピアノ弾きが生まれた。
裏ジャケットには各曲の作曲年、演奏者情報(アスタリスク付きの曲のみジョプリン本人の演奏)に加え、遺作オペラ「トリーモニシャ」の楽譜表紙も掲載されている。
福井県公安委員会許可第 521130011322 号
道具商
memento 株式会社

