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John Coltrane Quartet – Ballads【USED VINYL】

¥2,800

残り1点

コルトレーンがバラードを演奏する、ということの意味を、最初は理解できなかった。
コルトレーンは速い。激しい。サックスは嵐のように鳴る。そう思っていた。だからこのアルバムを初めて聴いたとき、何かが違った。速くない。激しくない。ただ、旋律がある。
"You Don't Know What Love Is"が始まる。コルトレーンのテナーが、ゆっくりと動く。マッコイ・タイナーのピアノが後ろで息をしている。エルヴィン・ジョーンズのドラムが、羽根のように軽い。この四人が、これほど静かに演奏できるとは思わなかった。
1961年から1962年にかけての録音だ。コルトレーンはこの前後に"A Love Supreme"へ向かっていた。嵐の前の静けさではないと思う。嵐の中に、もともとあった静けさだ。
Pairing Coffee:YIRGACHEFFE ARICHA。深煎りの奥に、花がある。このアルバムもそうだ。

Ship to Japan only

ジョン・コルトレーンは「怒れるテナー奏者の最高峰」と呼ばれることを不思議に思っていた、と自分で言っている。「ただ、ホルンを力いっぱい吹いているだけだ」と。
このアルバムはその誤解を解く一枚だ。コルトレーンはここで、スタンダードのバラードだけを演奏している。全曲がスタンダードだ。
録音はセッションごとにリズムセクションが微妙に異なる。1961年12月21日のセッションではレジー・ワークマンがベースを弾き、1962年9月と11月のセッションではジミー・ギャリソンに代わっている。しかしマッコイ・タイナーとエルヴィン・ジョーンズは全セッションを通じて変わらない。この四人の間にある信頼が、音楽の静けさを支えている。
ジャズをあまり聴かない方にも、最初の一枚として勧められる。コルトレーンを難しいと感じている方にも、ここから入ってほしい。

Condition

盤質 NEAR MINT
非常に綺麗。針跳びなし。

ジャケット VERY GOOD
ジャケットオモテ右下にシール剥がし跡のけば立ちあり。

info

レーベル:Impulse! STEREO A-32(原盤)/ MCA Records – VIM-4606(日本盤)
フォーマット:LP, Album, Stereo, Gatefold, 33 1/3 RPM
国:日本盤
製造:Victor Musical Industries, Inc., Tokyo, Japan
リリース:1963年1月(原盤)/ 日本盤リイシュー
定価:¥2,000
シリーズ:スイングジャーナル選定〔ゴールドディスク〕/ ジャズ・レコード入門40選選定LP
録音
Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey
1961年12月21日(It's Easy To Remember)
1962年9月18日(I Wish I Knew、Nancy)
1962年11月13日(Say It 他)

収録曲
Side 1

Say It (Over And Over Again) 4:15(Frank Loesser, Jimmy McHugh)
You Don't Know What Love Is 5:11(Don Raye, Gene DePaul)
Too Young To Go Steady 4:20(Harold Adamson, Jimmy McHugh)
All Or Nothing At All 3:35(Jack Lawrence, Arthur Altman)

Side 2

I Wish I Knew 4:54(Harry Warren, Mack Gordon)
What's New 3:43(Bob Haggart, Johnny Burke)
It's Easy To Remember 2:45(Lorenz Hart, Richard Rodgers)
Nancy (With The Laughing Face) 3:10(Jimmy Van Heusen, Phil Silvers)

Personnel
John Coltrane – tenor saxophone
McCoy Tyner – piano
Reggie Workman – bass(1961年12月21日セッションのみ)
Jimmy Garrison – bass(1962年9月・11月セッション)
Elvin Jones – drums
Production
Producer:Bob Thiele
Engineer:Rudy Van Gelder
Cover and Liner Photos:Jim Marshall
Cover Design:Flynn/Viceroy
Liner Design:Joe Lebow
Label:Impulse! Records(原盤)/ MCA Records(日本盤)
発売元:ビクター音楽産業株式会社

liner notes

これは巨人ジョン・コルトレーンがバラードの佳品8曲によって、限りなく美しい情感にあふれた世界を示した、実に魅力的な名盤である。レコーディングされてからすでに20年に近い歳月が経ったが、その魅力はいささかも失せず、聴き手のハートをとらえ、強く惹きつけてやまない。
改めていうまでもないが、ジョン・ウィリアム・コルトレーンは、もはや世の人ではない。彼は1967年7月17日、肝臓炎のため突如世界を去った。1926年9月23日(ノース・カロライナ州ハムレット)の生まれだったから、まだ40歳の若さであった。その短い生涯を真摯に音楽を追求し、新境地を拓いていった大に注目し、期待されていた彼の死は、全世界のジャズメンとファンに強烈なショックをあたえ、深く惜しまれたのだった。コルトレーンの音楽が、今もなおあらゆるジャズメンに多くを示し、強い影響を及ぼし続けていることは周知の事実である。
1959年から60年頃アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズがフランスRCAに吹き込んだ「サンジェルマンのアート・ブレイキーとメッセンジャーズ」(LP 3枚)が日本に発売され、爆発的に売れたところから、当時そのスターがやってきたらという雰囲気になり、'58年にメッセンジャーズの日本へ来ることになって、ジャズのスターが日本へも来る大物人となった。1950年代のはじめ頃から、ハーマン楽団のサイドメンだった若手の黒人奏者が西海岸ロサンゼルスに住みついてクールなアンサンブルを売り出していたが、これらのグループは、当時の日本のファンに入手しにくいレコードのため、モダン・ジャズを聴くことができなかった。
…(後略)(青木啓)

JOHN COLTRANE has on occasion expressed puzzlement over such descriptions of himself as "best of the angry tenors."
"I guess," he once said, "they say that because I play the horn hard."
Coltrane is, as a matter of fact, one of the gentlest and quietest people I've met in jazz. And, two or three years ago, he was just about the shyest.
Not that he has become a study in effusive cameraderie. But he has emerged considerably from that cocoon of quiet in which he lived his off-stage life. He talks more now, he laughs more readily, he seems more assured.

It used to be that, on stage, he'd plant his feet solidly apart, shut his eyes and, thus unshakably, play his music straight at you. Now he seems willing to let you approach him and get it for yourself. The music comes out, instead of being thrust out.
I wish I were one of those sages who can say, "Man, I dug Bird the first time I heard him." I didn't: I thought Bird was ridiculous, and it took some exposure to his music for me to get it. Similarly, I thought Coltrane was ridiculous. It was puzzlement over the simplicity and sincerity of the man that led me to re-examine his playing. And lo! I found that under the sheets of sound was music of exceptional lyricism.…

ジーン・リースはまず、コルトレーンが「怒れるテナー奏者の最高峰」という評判を不思議に思っていたと記す。実際の彼は、ジャズの世界でリースが出会った中で最も穏やかな人物のひとりだった。
リース自身、最初はコルトレーンを理解できなかったと正直に書いている。しかしその誠実さに引かれて聴き直すうちに、音の層の下に並外れた叙情性があることに気づいた。その叙情性は実は、1955年のタッド・ダメロンとの初期録音の時点からすでに存在していた。
プロデューサーのボブ・シールは、デューク・エリントンとの共演がコルトレーンの進化を加速させたと考えていた。シールがある曲の録り直しを求めたとき、エリントンが止めた。「もうやらせないでくれ。自分の真似をすることになる」。
バラード・アルバムはそうした流れの中で自然に生まれた。コルトレーンは変化を求め、自分が叙情的に演奏できることを示したかった。ドナルド・バードの言葉がその難しさを示す。メロディを真っ直ぐに、良い音色と感情をもって演奏することは、音楽の中で最も難しいことのひとつだ、と。
レコーディング当日の光景は異例だった。「It’s Easy To Remember」以外、カルテットはどの曲も事前に演奏したことがなかった。楽器店のシートミュージックを持参し、話し合い、コード進行を書き出し、30分ほどリハーサルして本番に臨んだ。ほとんどの曲がワン・テイクで完成した。コルトレーンは旋律を真っ直ぐに演奏し、これほど引き締まった演奏をリースはかつて聴いたことがなかったと記している。​​​​​​​​​​​​​​​​

¥2,800

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